2020年09月07日 |Category:お知らせ
アメリカのレイバーウィークエンドの過ごし方
9月7日 レイバーデーウィークエンドの過ごし方
アメリカでは、9月第1週の月曜日はレイバーデーと呼ばれる連邦政府の休日となっています。2020年の今年は、9月7日がレイバーデーで、多くの人がいつもより少し長い週末“スリーデーウィークエンド”を過ごしました。
レイバーデーとは?
レイバーデーとはいわゆる「労働者の日」で、例年だと秋祭りのようなフェスティバルやパレードが行われたり、家族や友人が集まってバーベキューをする様子をあらゆるところで見ることができます。また、アメリカでは、レイバーデーを迎えると、日本人がお盆が終わるとそう感じるように、夏の終わり、秋の始まりと感じる人がほとんどです。
このレイバーデー、世界的に有名なのは5月のメーデーだと思うのですが、何が違うのか気になって調べてみました。1880年代後半、アメリカでは低賃金で長時間労働が強いられるという労働体制にありました。1982年9月5日、この労働体制に反発し、タバコ製造者、洋服や靴などのアパレル、印刷屋、れんが職人、商人などの男性労働者達による1万人規模のストライキが行われたそうです。これを経て1887年9月7日にニューヨークがレイバーデーを制定、1894年には、正式にグローバー・クリーブランド大統領が法案に署名し、レイバーデーが連邦政府の祝日として制定されました。一方で、メーデーは、1886年5月1日に後のアメリカ労働総同盟(AFL)が、シカゴを中心に、それまで労働時間が12から14時間が当たり前だったのを、8時間の労働を求めてストライキを行ったのが始まりのようです。
アメリカでのレイバーデーの過ごし方
それでは実際に、アメリカ人は、どのようにこのレイバーデーという祝日を過ごしているのでしょうか?今年は世界中に影響を及ぼしている新型コロナウィルスの影響で、各地でフェスティバルやパレードが中止となりましたが、スーパーではバーベキューには欠かせない炭やステーキなどがセールとなり、それなりに祝日ムードが高まっていました。またアメリカでは、ほとんどの学校で、レイバーデー前後に秋学期がスタートになるので、留学生のみなさんもレイバーデーが近づくにつれて夏休みが終わってしまう〜と実感するのではないでしょうか。レイバーデーセールと呼ばれているショッピングモールなどのセールは、夏物が一気にセールになり、次の日の火曜日にデコレーションが秋一色に様変わりというのもよくみられる光景です。また、学校が始まる前の最後の連休という家庭も多く、例年であれば、家族旅行に出かける人も多いようですが、今年はコロナの影響で、旅行を控える人も多かったようです。人の密集しないキャンプ地などは大人気で予約がなかなか取れない状況になっています。実際に8月に、カリフォルニア州ロサンゼルスから5時間以内のキャンプ地の予約を試みたのですが、年内どこも予約一杯で取ることができませんした。国立公園や州立公園がたくさんあり、キャンプ場が各地にあるこの地域で、これほどキャンプ地の予約が取れないのは珍しいことです。
今年のカリフォルニアのレイバーデー
私の住んでいるカリフォルニア、オレンジカウンティ―では、この週末、今年は史上最高温度に達するとも言われたヒートウエーブと呼ばれる熱波に見舞われました。この辺りは一年中過ごしやすい西海岸性気候で、夏でもカラッとしていて過ごしやすい気候です。それに慣れている南カリフォルニアの人々にとっては、このヒートウエーブは死活問題で、エアコンの使用量が一気に上がり、電力が足りなくなり停電の可能性が心配されるほどで、電力会社から警告が出されるなどの大騒ぎとなりました。通常であれば、エアコンのきいている室内モールなどに逃げ込みたいところですが、コロナ禍で人が密集する室内を避けるため、仕方なく家で過ごすことを選択した人も多かったと思います。
アメリカでは、コロナ禍では屋外で過ごす方が安全という意識が高く、ここカリフォルニアでは、屋外の席のみレストランの営業が認められています。そのためパティオや駐車場にテントを張って設置された屋外席での食事を楽しむ人々の姿をたくさん目撃しました。また、暑い日を過ごすには最適の場所であるビーチは、予想通り多くの人で賑わっていました。カリフォルニアの海は、アラスカからくる寒流の水で、夏でも水の温度は非常に冷たく、海風は本当に涼しく避暑にはもってこいの場所です。夏でもウエットスーツがないと寒くて泳げないほど水が冷たいですが、さすがにこの週末のヒートウエーブでは水着でも遊泳できました。アメリカは、人口密度が日本の10分の1と低いので、日本の例年見られる海水浴場ほどの密集ぶりではありませんでしたが、6フィートのソーシャルディスタンスを維持するのが難しいほどの混雑ぶりでした。それでも、屋外で涼しくて思いっきり遊べる場所なので、私もこの3連休の中日にビーチに行ってきました。混雑を避け、夕方から行ったのが正解で、密になることもなく、ボディーボードを思う存分楽しむことができ、よいリフレッシュになりました。
コロナ禍での留学
アメリカに留学中の方々は、コロナ禍でクラスがオンラインになったり、夏の一時帰国をあきらめたりと、通常の留学とは違った苦労に直面している人も多くいます。それでも、この環境の中で最大限に充実した生活を送ろうとしている留学生の姿勢には感銘を受けます。生徒さんの中でコロナの影響が深刻化する直前に渡米された方もいましたが、先日語学学校の方から、「コロナでも留学は実現する、英語力は伸ばせると証明してくださったとても素晴らしく貴重な生徒様です。」と褒めていただきました。渡米してすぐにコロナが深刻化し、オンライン授業へ移行。うまく聞き取ることのできない英語に加え、慣れないオンライン形式の授業、実際に顔を合わせたことのない先生とクラスメートとの授業は、本当に大変だった思います。それでもコツコツこのオンライン授業をこなしていったからこそ、確実に英語力がついて行きました。現在、語学学校では第2フェーズであるオンラインとキャンパス形式を組み合わせるハイブリッド方式と呼ばれる授業の準備をしています。そしてその後、カリフォルニア州の規制が緩和されるにつれ第3フェーズの100%のオンキャンパス形式に移行していく予定です。既にコロナウィルス流行の前から、かなりの部分(シラバス、宿題提出、先生とのやり取り、テストスコアーや評価の発表など)がオンライン化されていたアメリカでは、オンライン授業への移行も素早く、スムーズに行われたと思います。
通常であればこういったレイバーデーウィーケンドは、クラスメートのみんなとアメリカ国内旅行を楽しんだりする留学生の方が多いと思います。コロナさえなかったら。。。と思う場面は多いと思いますが、そこで悲観的になるのではなく、与えられた環境の中で最大限のことをするという姿勢がよい結果を生み出しているのだと思います。
また日本での留学準備組も頑張っています。アメリカ正規留学には欠かせないTOEFL。通常とは異なり在宅での受験も可能となりました。この機会に英語力を日本でアップして、語学留学の期間を短くし、渡米と同時に大学の本科に入学することができるよう、英語の向上に力を入れている生徒さんもいます。特にライティングセクションでは、E2 SMILEのアメリカ人カウンセラーとの添削を重ねながら、点数の確保を目指しています。アメリカに実際に来る予定は遅くなっても、こういったやり取りはコロナ禍とは関係なく英語の上達に役立つので、家にいる時間が長くなった今、じっくり実力を蓄える時期ととらえるのもいいですね。
寮に滞在中の留学生とホームステイに滞在している留学生の方とでは、休日の過ごし方も異なるとは思います。みなさんは今年のレイバーデー、どんな週末を過ごしましたか?